「リタイア後は辛い・つまらない」は本当?いえいえ現実は「楽しい」が大半です!未来ビジョン研究所レポートからリタイア後の人生観を探る

こんばんは。あぼさんです。

早期リタイアの話をすると、必ずと言っていいほどいろいろなところで

「そんなに早く会社辞めたってやることもないし人生つまらないよ」
「中途半端に50代で早期リタイアしたって友達もいないでしょ」
「みんなと同じようにギリギリまで会社で働いた方が社会に貢献できて心身も充実するよ」

という声にぶち当たります。

そもそもなんですが、会社を辞めた後って本当に「つらい・つまらない」のでしょうか。
少し古いレポートなのですが、未来ビジョン研究所という調査機関が2021年5月20日に発表した第8弾のレポート『社会常識とは違う!?当事者世代にとって「定年は意外と楽しい」』が、とても興味深い内容だったので、一部を引用してご紹介させていただきたいと思います。

結論から言えば、実際にリタイアした人は、リタイア後の生活について「辛い」と思う人よりも「楽しい」と思う人の方が圧倒的に多く、現役世代が考えるイメージとはかなりギャップがある内容となっていました。

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リタイア後は「意外と楽しい」と回答した60代・70代は全体の約8割

未来ビジョン研究所が2020年6月に行った40-70代の中高年大人世代を対象としたインターネット調査によると、「リタイア後についてどのように考えるか」とのアンケートに対する回答は以下のような結果でした。

Q.あなたは「人生100年時代」といわれるなか、リタイア後(および子育て卒業後ないし子育て卒業と同等の時期の後)について、どのようにお考えですか。以下のAとBのうち、どちらが近いか、あてはまるものをお答えください。(それぞれひとつずつ)
※全体n=1864 男性932 女性932 40代-70代いずれも466

未来ビジョン研究所「人生100年時代 未来ビジョン研究所」レポートⅧ「定年は意外と楽しい」2頁より引用

上記の通り40代-70代全体で見ても、リタイア後が楽しい(楽しみ)との回答が全体の71.6%となり、辛い(辛そう)との回答(28.4%)を圧倒的に上回っています。

男女別になるとやや女性の方がリタイア後が楽しい(楽しみ)という回答が多いですが、そこまで大きな差はありません。

一方で世代別では大きく異なっています。40代・50代がリタイア後が楽しい(楽しみ)との回答が60%強に留まるのに対し、60代では78.1%に達しているほか、70代に至っては実に83.5%が「リタイア後が楽しい(楽しみ)」と回答しているのです。

40代・50代は大半がまだ現役世代であると考えられるので、現役時代はリタイア後に対して不安を抱えつつ、いざリタイアしてみたら実際の60代・70代は思っていた以上に楽しかった、というのが現実なのではないでしょうか。

レポートでも示されていますが、現実には70代でも健康寿命が来てしまい、要介護状態で大変な人たちもいることも事実です。そういった人たちには社会的な援護が必要なことは間違いありません。

しかしながら、「リタイア後は楽しい」と回答している60-70代が約8割を占めるという現実については、やはりしっかり認識する必要があると思います。

「会社や育児がないのは気が楽」と回答した60代・70代も全体の約8割

続いて、リタイア後に「会社・仕事や育児がない」ことに対して「気楽か・辛いか」についてのアンケート回答結果が以下になります。概ね先ほどの質問と同様の回答結果となりました。

Q.あなたは「人生100年時代」といわれるなか、リタイア後(および子育て卒業後ないし子育て卒業と同等の時期の後)について、どのようにお考えですか。以下のAとBのうち、どちらが近いか、あてはまるものをお答えください。(それぞれひとつずつ)
※全体n=1864 男性932 女性932 40代-70代いずれも466

未来ビジョン研究所「人生100年時代 未来ビジョン研究所」レポートⅧ「定年は意外と楽しい」4頁より引用

こちらも40代-70代全体では、会社(仕事・育児)がないのは気が楽(気が楽そう)と回答しているのは全体の76.3%となり、辛い(辛そう)との回答(23.7%)を大きく上回っています。

またこれも年代が上がるごとに気が楽(気が楽そう)の割合が高くなる傾向があり、70代では「気が楽」との回答が実に86.3%にも及んでいます。

もちろんあくまでもアンケートの結果なので、どこまで精緻なのかはわからない部分もあるかもしれませんが、少なくともアンケートに回答した多くの60代・70代は会社や仕事・育児がなくなることについて、辛いというよりも「解放されて嬉しい」という思いの方が強いことが伺えます。

なぜ「リタイア後はつらい・つまらない」という誤解が生まれるのか

60代・70代のリタイア世代は、その多くの人たちがリタイア後の生活について「楽しい・気が楽」と考えているのに対し、なぜ現役世代は「リタイア後は辛い・つまらない」と考えてしまうのでしょうか。

この両世代間における大きなギャップの要因について、同レポートでは見解が述べられています。

現役世代からみえる定年(リタイア)生活の「定年後は苦しそう・辛そう」と
実際に定年(リタイア)した世代の「定年後は楽しい・気楽」
の大きなギャップといえます。


その要因は大きく二つといえます。
①現役世代は、夫のスーツ着用や日々の都心飲食、子育ての次は親の介護か、とおカネのかかる
日々や今後の心配が重なるためとても辛そうと思うわけですが、定年後はスーツも都心飲食も
なくなり、親の介護もおカネは親の貯金(遺産)を充てて介護付き有料老人ホーム、という解決策
になりがちだったりします。


②昭和の定年観がいまだに常識になっていて、現役世代から定年(リタイア)後をみると、「やることが
なくなると辛いに違いない・寂しいに違いない」と思いがちです。実際、昭和のサラリーマンは本当に
「会社が全て」、「会社が命」という人が多く、それがなくなると寂しくなる人たちが多くいました。
つまり、団塊以前の世代は「私生活を犠牲にして会社に尽くした」世代であり、団塊以降は「少なく
とも精神的には私生活を持ち続けた」世代です。必ずしも会社がなくなることイコールやりたいことが
なくなる、ということでもなくなった、といえます。
単純に考えて、「会社に毎日行かなくてすむのは楽しい」し、「タスクがなくなるのは気が楽」である
わけです。ごく一部に毎日会社に行くことが楽しいという人がいるかもしれませんが、多くの人に
とっては毎日会社に行かなくて済めば、それはそれで楽しいし気楽だ、ということがいえます。
それは今回の調査結果にもあるように、実際にそういう生活に入ってみてそう感じるし、それが10年、
15年と時を経るごとにさらに実感する、ということがいえます。

未来ビジョン研究所「人生100年時代 未来ビジョン研究所」レポートⅧ「定年は意外と楽しい」9頁より引用

私個人の意見としては、特に②がギャップの主因だと考えてます。
確かにかつては、定年退職後の夫が特に趣味もなく妻が出かけようとすると必ずどこにでもついていくような様を「ぬれ落ち葉」なんて言葉で揶揄される時代もありました。

しかし今は転職市場も活発となり、一つの会社で人生のすべてを尽くすなんて考え方の人は若い世代ではもはや絶滅危惧種になっています。もちろん現在の50代にはいまだに「会社が俺のすべてだ!」と言わんばかりの人もいることは事実ですが、現実ではそんな人もどんどんと少なくなってきています。定年を迎えた瞬間に「もう精魂尽き果ててて何もやることがなくなる」なんてこと、実際にはほとんどありえないのではないでしょうか。

それに現在はSNSやインターネットの存在によって、従前以上に多様なコミュニケーションを図ることができるツールは揃っています。これらの取り扱いに慣れている現役世代に関して言えば、定年を迎えたとしてもまったくやることがないなんてこと、まずありえないのではないでしょうか。

「リタイア後はツライ」はもはやファンタジー。リタイア後は楽しい!

そもそもかつては高齢者に対する娯楽と呼べるものが圧倒的に少なく、それを見てきた現役世代が「高齢者になるとやることがなさそう」という誤解を生じさせたのかもしれません。

しかしながら今は高齢者にとって娯楽はそれこそ星の数ほどあります。むしろ世の中は高齢者マーケットを狙って様々な娯楽が提供される時代になっています。一定の財産があるのであれば、会社をリタイアすることを恐れる必要など全くないと思っています。

でもリタイア後が楽しいのなら、
定年よりも早くリタイアする「FIRE」はもっと楽しいはずです!

何より50代はまだまだ体も若いですし、行動範囲も広いです。人生を謳歌するのであれば私は少なくとも50代でFIREをすべきだと考えております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

あぼさん

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