なぜ周りは65歳まで働き続ける?世論調査の結果からその理由を探る

こんばんは。あぼさんです。

50代でFIREを目指すにあたって一番の障壁となるのは何でしょうか?

必要な資金の確保でしょうか?
家族の理解を得ることでしょうか?
FIRE後に何をするのか計画を立てることでしょうか?


いいえ違います。なんといっても最大の障壁はこれにつきます。

周りは働いているのに自分だけがFIREしてよいのか?という底知れぬ不安感です。

FIREする人・FIREにチャレンジする人というのは、近年急速に認知度が高まったとはいえまだまだマイナーな存在です。会社を辞めていった人を見回しても「ああ、あの人はFIREだな」と思えるような人はほとんどいないのではないでしょうか。大半の場合、60歳や65歳満年齢での定年退職、転職や病気等による早期退職だと思います。

SNSやネットの世界ではFIREする人が溢れていても、実社会では「65歳定年まで働くのが当たり前」という周囲からの同調圧力のようなものがジワジワと襲ってきて、「本当にFIREしちゃっていいのか?」という底知れぬ不安感が襲ってくるのです。
30-40代でのFIREならともかく、50代FIREは定年退職者も周囲に多いだけに、その同調圧力たるや相当なものです。

そこで今回は内閣府の令和5年11月「生活設計と年金に関する世論調査」を引用し、世の中のいわゆる常識とされている働き方についての考え方を再確認するとともに、なぜそのような同調圧力が生まれるのか、それに対して50代FIREチャレンジャーはどう対処すればよいのかを考えていきたいと思います。

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目次

働き方の「常識」とは?世論調査を読み解こう!

みんな何歳まで仕事をしたいの?

世論調査によると、「何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいと考えるか」という質問に対しての回答結果は以下の通りとなっています。なお既に退職し今後働く予定のない人には「何歳頃に収入を伴う仕事を退職したか」と聞いています。

(出典:令和5年11月「生活設計と年金に関する世論調査」より)

このグラフを見ると、全体では「61歳以上まで働く」と答えた人の割合が実に71.1%に上り、逆に60歳以下までと答えた人は22.6%しかおりません。

また性別で見ると男性の方がより長く働きたいという意向が顕著に表れており、「61歳以上まで働く」と答えた割合は77.7%にも上ります。60歳以下と回答した割合は実に16.9%に過ぎません。

さらに年齢別で見ると40代は72.1%、50代では67.8%が「61歳以上まで働く」と回答しています。

逆に言えば、50代までにFIREする(仕事を辞める)という人は全体の2割程度に過ぎないということです。

ただしこの表はサラリーマンだけでなく自営業の方も含まれていますし、サイドFIREのような働き方でも「働く」とみなされている点には注意が必要です。

60歳過ぎても「サラリーマン」として働きたい人はどのくらいいるの?

次に、収入を伴う仕事を61歳以上までしたい、またはしたと答えた人に「どのような形態での就労を最も希望するか、既に退職した場合は、退職した年齢まで主にどのような形態で就労したか」を聞いた結果になります。

(出典:令和5年11月「生活設計と年金に関する世論調査」より)

役員を含む正規の従業員や派遣社員などで働きたい人の割合は全体で74.4%です。起業したり、家族の事業を手伝うと答えた人は16.2%に過ぎません。

男女別で見ると正規の従業員+派遣社員の合計の割合はあまり変わりませんが、男性の方が圧倒的に「正規の職員・従業員として働きたい」という意向が強いことが伺えます。

年齢別だと50代はその傾向がさらに強くなり、80.5%の人が正規の従業員や派遣社員で働きたいと回答しています。

つまり、「61歳以上まで働きたい」と回答した人の大半が「サラリーマン・契約社員で働き続けたい」と回答しているのです。

60歳過ぎても働きたい理由は?

最後に、収入を伴う仕事を61歳以上までしたい、またはしたと答えた人に「その年齢まで働きたい理由は何か、既に退職した場合は、退職した年齢まで働いた理由は何か」と聞いた結果になります。

(出典:令和5年11月「生活設計と年金に関する世論調査」より)

「生活の糧を得るため」が実に75.2%もいます。要するに61歳以降まで働きたい理由として「お金がないから」という実に元も子もない理由の人が圧倒的に多いということになります。

一方で「生きがい・社会参加」と答えているのは全体の40%弱にすぎません。また「定年退職の年齢だから」「職場に頼まれたから」といった、あまり主体性を感じられない回答の人もそれぞれ10%程度いるというのも驚きです。

現代における働き方の「常識」の結論

以上のまとめると、現代における50代以上の働き方のイメージ像が浮かび上がってきます。すなわち、

・定年ギリギリとなる61~65歳まで懸命に働く
・最後までサラリーマンまたは契約社員として働き続ける
・働く理由は基本「お金のため」
・生きがいや社会参加のために働くという人もいる一方、ただ漠然と働いている人もいる

これが常識なわけですから、50代FIREがいかにレアな存在なのかわかりますよね。そりゃあ

「さあみんな定年までがんばって働くぞー!」

ってな具合に同調圧力も強くなるわけです。いざFIREを考え始めた時に不安になるのは当たり前ですよね笑

同調圧力に負けない!FIREへの気持ちを強く保つには?

「一緒に定年まで働こう!」
「定年まで働くのが世の中の常識だよ!」
「今やめたって何もできないよ~いつまでも会社にいつづけようよ~」

普通とは違うことを考えている人に対して、周囲からの同調圧力(半分やっかみみたいなものもある気もしますが)はなかなかのもの。これに打ち勝ち、FIREへの強い気持ちを持ち続けるにはどうしたらよいのでしょうか。ここからは私なりに考えていることをお話させていただきます。

資産形成の環境は従前とは段違い

私が今の会社に入社したころは、確かまだ株式を買おうとしたら証券会社に電話注文しなければできなかったと思います。それくらい、資産形成という行為自体が非常にハードルが高いものでした。

ところが今ではネット証券でスマホやパソコンから手軽に、かつ優良・低コストなファンド商品を誰でも簡単に購入できるようになりました。またiDeCoやNISAといった資産形成に対する税金面での優遇策も拡充され、資産形成に対するハードルはここ数年で劇的に低くなったと感じています。

従前は資産形成そのものが非常に難易度が高かったので、そもそもFIREを選択できるほどの資産形成を行うこと自体が難しかったのではないでしょうか。

今は本当に資産形成がしやすい時代になりました(結果として優良ファンド等に世の中の資金が向かうようになり、株式市場が活性化した要因の一つにもなっています)。こういう時代だからこそ、FIREという新たな選択肢ができるようになったのだと思います。過去とは事情が異なるのですから、何も同調圧力を恐れる必要はないのです。

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労働環境も劇的に変化している。FIREを目指す過程で新しい働き方も覚えよう!

一昔前は、50代から起業するといっても飲食店のような相応の固定費のかかるビジネスや、保険の代理店のような実質的にサラリーマンと同様、親会社などの指示を仰いて行うような事業しか選択肢がありませんでした。だからこそ、サラリーマンは今の会社になんとしてでも定年までしがみついて収入を得ようとしていたわけです。

ところがいまやどの会社においてもテレワークが当たり前の時代になり、加えて最近は企業に属さずフリーランスとして働くコンサルタントやエンジニアといった職種の人も増えてきました。

50代・60代であっても、パソコンやスマホがあればだれでも好きな時間に、自由に仕事をすることができる時代です。別に起業しなくたって、ネットを経由して家にいながらサラリーマン時代の知見を活かした仕事を受注することも可能です。しかもありがたいことに、そこまで高いITスキルがなくても現代のサラリーマンレベルの資料作成やビジネススキルがあれば十分に対応できる仕事も多いです。

そういった「新しい働き方」に対して、上記の調査対象となった60代以上の人はまだまだ順応しきれていないのではないでしょうか。おそらくITスキルもまだ十分でない世代と思われます。逆に言えば、これから新たな世代が高齢者になる毎に、どんどん新しい働き方に順応していくのでしょう。

というわけで、FIREに向けた準備をする過程で、アンテナを高くして「新しい働き方」の準備もしっかりとしておけば、FIREした後「やっぱり仕事をしたい、やっぱり少しお金が必要」となっても、生活の足しにする程度の収入であれば、サラリーマンに戻ることなく仕事を見つけることも十分可能だと思います。FIREに向けて適正な準備をしていけば自然と身につくスキルです。会社をやめることを過度に恐れる必要はないと考えています。

まとめ

最後に、私が言いたいことはただ一つです。

何も恐れることはない。ともにFIREに向けて歩みましょう!!

人と違うことをするというのは本当にエネルギーがいるものです。
私もこれまで約30年間、JTCサラリーマンとしてとにかく「人と同じこと」をすることを美徳として、懸命に仕事に励んでまいりました。

しかしながらそんな会社人生に行き詰まった時、FIREの概念を知ったことで改めて人生のアクセルを踏みだすことができたのです。

私の場合、まだもう少しFIREまでお時間をいただきますが、必ずや最後には笑ってFIREする日が来ることを信じて疑いません。
これからもともにFIRE目指して頑張ってまいりましょう!

あぼさん

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